美容整形クリニックの代表的な医院をモデルに、今日美容整形で行われている治療の実際を俯瞰的に見ていこう。先ず一般的形成外科治療として事故や疾病による肉体欠損・損傷部位を復元・再生する再生医療がある。具体的には火傷や痣の治療、欠損部位の復元、手術痕の除去などがある。皮膚再生については移植手術などの原始的物理的療法がかつては伝統的なものであり、肉体パーツの欠損については義手や義眼に代表されるような人工物による肉体部品のイミテーションを装着するよりなかった分野であるが、近年のバイオテクノロジーを応用した新技術により、皮膚はほぼ100%再生が可能になったし、肉体パーツについては眼球や脳のごとき複雑な神経を有する部分を再生することはまだ無理だが、少なくとも耳や鼻などの欠損外傷については美容整形クリニックの一部でも再生復元が可能になっている。
美容整形において以前からその中核を成しているのが顔面に対する審美的治療である。関連各分野の技術発達に伴い、美容整形はより安全に、より効果的に治療が可能になっている。シミ、ソバカス、赤ら顔やニキビ痕、皮膚炎の後遺症によるくすみ、痣など、以前に比べると実に少ない通院回数で完治してしまうようになったし、そもそも手術すら必要ない。二重まぶたや隆鼻術、小じわ取りに代表される純然たる審美的治療も、治療技術の飛躍的革新により、筋肉や神経を傷つけることなく安全確実に行えるようになった。このことは、美容整形手術後も自然な生きた表情をつくることを可能とし、本当の意味での「生まれ変わり」が実現されている。
美容整形では顔の表情をつくる重要な要素として審美歯科を取り入れるところが増えてきており、ホワイトニングなどの簡単な治療から歯列矯正、インプラントなどの高度な技術を要するものまで扱うようになっている。受け口や出っ歯、乱杭歯などを矯正する上下の歯槽骨形成術も今では美容整形クリニックの受け持ちになっている。きちんとした歯科医療の技術と美容整形のノウハウが有機的に結びつき、バランスのよい表情が得られるようになっていることは心強い。
美容整形の中でも劇的な効果を生む治療として挙げられるのが皮下脂肪除去手術であろう。直接体型を改善する治療なのでかつてはかなり大掛かりなものであったが、これも近年の技術の進歩によって傷みも無く、短期間で大きな効果を得られるようになっている。ただ単に脂肪を吸い取るのではなく、手術後に「美しいライン」が維持されるようきちんと「ボディデザイン」を行うのが今の美容整形クリニックが行う脂肪除去治療である。無論、内臓脂肪の解消については医師の指導による健康的なダイエットが必要であることは言うまでもない。
美容整形ではこの他「腋臭」「多汗症」などどちらかというと生理的条件による「疾患」についてもその受け持ちに含めている。毛穴や汗腺の症状は皮膚表面に対するノウハウで処理可能なので、皮膚科技術を有する美容整形クリニックが一手に引き受けているわけだ。これも最近の美容整形クリニックの治療法では従来の汗腺除去手術に加えて、汗の分泌を抑える物質を注入するなど、外科手術に拠らない症状緩和の方法もクローズアップされている。体臭に関する悩みもまた、容貌におけるそれ以上に精神的圧迫要因となり得る。こうした悩みを解消してやることは、単なる医療を超えた「自己解放」につながるものである。美容整形医療界が安全で手軽な療法開発すべく努力していることは、そうした意味でも実に重要なことだ。