美容整形が単なる「整形手術」専門医であった昔に比べ、現在、そしてこれからの美容整形は、精神カウンセリング的効果を含めたより総合的な医療の集成となっていくだろう。すでに現在の美容整形が歯科・皮膚科・内科・再生外科を取り込んだ総合医療に成長していることは述べた。これに加え、これからの美容整形はよりメンタルな意義を深めていくのではないかと思う。
美容整形に限らず、医療全般が老人医療とアンチエイジングをその視野に置いている現在、これからの医療はより「人間」というものを深く見つめたものになっていく必要がある。人間の精神が肉体と不可分なものである以上「こころの器」としての肉体をただ正常に機能させることにのみ腐心してきたこれまでの医療とは、美容整形はあきらかに異なるコースをたどって来たと言っていいだろう。むしろ時代の流れとともに、医療全体のあり方がようやく美容整形に追いついて来たのだと言ってもあながち間違いではないはずだ。
美容整形の盛んな韓国においては、一般家庭において子供たちに美容整形を進んで受けさせる親が増えているという。ある程度骨格の定まった年齢であればともかく、まだ幼い子供に美容整形を施すことは、いくら美容整形先進国の韓国といえども少々行き過ぎの感をぬぐえない。聞けばそうした親たちの動機の背景には、子供を芸能人に育てようなどといった浅薄な理由ではなく「いじめ」対策があるのではないかと言われている。だとしたらそれはまた別の意味で、人間社会の精神的貧しさを露呈するものではないかと思うのだ。美容整形の未来はもっと、個人の自由と尊厳を健全に支えるものであって欲しい。
美容整形は技術的に今後ますます発展していくであろうし、特にバイオテクノロジーと遺伝子情報に関する技術がどれほど美容整形に変革をもたらすかは未知数ながらも大きな期待を抱かせる。特に細胞再生に関する研究は外科手術全般に福音をもたらすだろうし、アンチエイジングについては益々研究も加速するだろう。医学が原初より持っていた究極の目標「不老不死」もまた、美容整形の大きなテーマの一つなのである。
美容整形におけるアンチエイジングの研究は、古来永遠の若さと美貌を保つための闘いの歴史であったとも言える。それが近年のバイオテクノロジーや細胞再生技術の研究成果から、そう遠くない未来に「完全なるアンチエイジング」のイメージが見え始めている現在、未来の美容整形が孕む可能性は大きいと言えるのではないだろうか。そしてこのような研究の究極には「整形」という概念自体も再考を余儀なくされるであろう。未来における「美容整形」は次第に「美容医療」とも呼ぶべき姿へと形を変えていくことが期待されるのである。